婚活アプリの返信より先に、リンガーハットの湯気に救われた帰宅後の台所時間

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    夜の冷凍庫から、ちゃんぽんの湯気が出てきた日

    ちゃんぽん

    21時47分、帰ってきた部屋の空気がちょっとだけぬるくて、玄関で靴を脱いだ瞬間に「あ、今日もちゃんとしてるふりだけで終わったな」と思いました。バッグは床に置いたまま、ピアスだけ外して、洗面所の鏡に映った自分の顔を見たら、眉毛だけが妙に仕事モードで残っていて、そこに少し笑ってしまいました。

    冷蔵庫を開けても、あるのは飲みかけの麦茶と、昨日の私が買ったはずなのに食べる気力を失ったカット野菜。こういう夜、誰かに「ちゃんと食べた?」って聞かれると、なんか急に泣きそうになるのに、聞かれないと聞かれないで、少しすねる自分もいて、めんどくさい女すぎるな私、と思いながら冷凍庫を開けました。

    そこにあったのが、リンガーハットの長崎ちゃんぽん。楽天市場店の商品ページでは、長崎ちゃんぽん8食セットで、1食305g、めん150gの商品として紹介されています。
    お店の味を家で食べられる、というだけで、今日の私にはちょっとした救助隊みたいに見えました。


    「ごはん作る元気ない」って、言うほど大事件じゃないのに

    仕事帰りのスーパーって、なぜあんなに判断力を奪ってくるんでしょうね。

    お惣菜コーナーの前で、唐揚げにするか、焼き魚にするか、サラダをつけるか、いやサラダをつけたところで私は何を取り戻そうとしているんだろう、みたいな小さな会議が頭の中で始まって、最終的に何も買わずに帰る日があります。

    あるあるですよね。

    そして家に着いてから、「あれ、私なに食べるつもりだった?」ってなる。

    今日もそれでした。

    本当は、ちゃんとお味噌汁を作って、豆腐とか入れて、なんなら小鉢っぽいものまで用意して、「私、生活を回してます」みたいな顔をしたかったんです。

    でも現実は、コートを椅子にかける体力もなくて、タイツのまま床に座って、スマホを見ながら5分だけぼーっとして、その5分が18分になっていました。

    小さな恥ですけど、床に座ったまま「お腹すいた」と独り言を言った自分に、自分でちょっと引きました。

    誰も聞いてないのに。

    いや、聞いてないから言えたのかもしれません。

    冷凍のちゃんぽんが、妙にやさしく見えた

    鍋に水を入れて、火をつけて、湯気が少しずつ立ってくるのを見ていたら、なんだか気持ちが静かになってきました。

    リンガーハットと聞くと、私の中では「外で食べるちゃんぽん」のイメージが強くて、仕事の休憩中とか、買い物帰りとか、少し急いでいる日に、さっと座って食べるあの感じがあります。

    公式サイトでも、リンガーハットは長崎ちゃんぽん専門店として、食の安全や野菜をおいしく食べることを打ち出しています。(参考・・・長崎ちゃんぽん リンガーハット)
    冷凍食品なのに、ちゃんぽんというだけで「野菜も食べたことにしていいですか?」と心の中で誰かに確認したくなるの、私だけでしょうか。

    鍋の中で麺がほぐれて、具材がふわっと広がって、スープの香りが部屋に出てきた瞬間、さっきまでの疲れた部屋が、ほんの少しだけ台所っぽくなりました。

    この「台所っぽくなる」感じ、地味に好きです。

    コンビニごはんを否定する気はまったくなくて、むしろ何度救われてきたかわからないんですけど、鍋から湯気が出ているだけで、私が私のために何かしているような顔になるんですよね。

    たった数分なのに。

    しかも作ったと言っていいのか微妙なラインなのに。

    自分へのツッコミとしては、「いや、あなた今、ほぼ温めただけですよ」なんですけど、それでもいいじゃないですか。

    温める元気があっただけ、今日はだいぶえらい気がします。


    婚活アプリの返信より、ちゃんぽんの湯気を見ていたかった

    食べる前に、スマホが震えました。

    婚活アプリの通知でした。

    「こんばんは!今日はお仕事でしたか?」って、すごく普通で、すごく優しいメッセージ。

    なのに私は、その優しさに返す余裕がなくて、画面を伏せました。

    人に言えない感情って、こういうところに出ますよね。

    寂しいくせに、いざ誰かが近づいてくると、返事をするのが少し重くなる。

    ちゃんとした言葉を返さなきゃ、感じよくしなきゃ、変に思われないようにしなきゃ、って頭が勝手に働き出して、たった一通の返信が、急に仕事みたいになる夜があります。

    そんな時に、ちゃんぽんの湯気だけは何も聞いてこないから、ありがたいなと思いました。

    「今日はどうだった?」とも聞かないし、「将来どうしたいの?」とも聞かないし、「次いつ会える?」とも聞かない。

    ただ白く上がって、少しずつ消えていく。

    その距離感が、ちょうどよかったです。

    アメブロを見ていると、リンガーハットの冷凍ちゃんぽんを“いざというとき”のごはんとして紹介している投稿もありました。
    ああ、わかるなと思いました。

    いざというときって、大きな災害とか、風邪で寝込んだ日だけじゃなくて、何も壊れていないのに自分の中だけが少し散らかっている夜も入る気がします。

    ちゃんぽんをすすりながら、「私、今日そんなに大丈夫じゃなかったのかも」と思いました。

    でも、その言葉を大げさにしたくなくて、スープをもう一口飲みました。

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    食べ終わった器の底に、少しだけ残っていたもの

    野菜の甘さなのか、スープのあたたかさなのか、麺をすすった安心感なのか、途中から少し眠くなってきました。

    食べながら、明日の朝のことを考えていました。

    洗濯物、たたまなきゃ。

    返信、しなきゃ。

    眉毛、描きっぱなしで寝ないようにしなきゃ。

    しなきゃ、が多すぎる夜って、なぜか食器の音まで大きく聞こえます。

    でも、ちゃんぽんの器を流しに置いた時、ほんの少しだけ「まあ、今日はこれでいいか」と思えました。

    この「まあ、今日はこれでいいか」って、誰かに言われるより、自分の中から小さく出てくるほうが効く時があります。

    もちろん、冷凍庫にちゃんぽんがあるだけで人生が整うわけではないし、恋愛がうまくいくわけでも、明日の私が急に完璧になるわけでもないです。

    でも、夜の台所で湯気を見て、熱いスープを飲んで、ひとりなのに少しにぎやかな味がする。

    その感じに、今日は助けられた気がしました。

    リンガーハットの楽天市場店では、長崎ちゃんぽんのほか、長崎皿うどんや野菜たっぷりちゃんぽんなどの冷凍商品も並んでいます。
    冷凍庫にいくつか入っていたら、未来の疲れた私が少しだけ安心するのかもしれません。

    それって、買い置きというより、未来の自分への小さな置き手紙みたいですね。

    冷凍庫の奥で静かに待っているちゃんぽんに、次に救われるのはいつなんだろう。

    その時の私は、誰かにちゃんと返事をできているのか、それともまた、湯気にだけ本音を見せているのかもしれません。


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